2017.07.08 Sat
またまたEプログラムレポート到着っ!
伝説の公演からまだ1週間しか経ってませんが、いかがお過ごしですか?
Dプログラムの稲垣さんからのEプログラムのレポートが到着しましたのでご覧頂いてこの余韻をお楽しみ下さいませ。

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2017年7月2日日曜、武蔵野芸能劇場。
ロビーは開場前から何とも言えない緊張感に満ちていた、気がする。私が勝手に緊張し過ぎていたのかもしれない。
お客様が開場を待って作る列は、ロビー内を一列では収まらず、2回折り返してつづら折りになっている。フェスとは言え、こんなこと普段ならありえない。
それもこれも出演者たちが大物過ぎるからなのだった。
今年の3月、マイムフェスのプログラム内容を聞いたとき、「マジで?」と思ったし、言った。多くのマイム関係者、年季の入ったマイムファンも、みんな「マジで?」と言ったか思ったかしたはずだ。
開場の時間になり、長い列が会場内に吸い込まれ、開演5分前に私も観客席に座らせてもらった。客席明りが落ちていくのを見ながら、まだ「マジかー」と思っていた。
1.細川紘未「GHOST」
東京マイム研究所・並木孝雄氏に師事し、その後継者として、パントマイム伝道師として、いろいろなものを背負ってたつ、細川さん。
細川さんは、細い。冗談を言っているわけではなくて、ほんとに細い。その細さで描く動きの線はとても奇麗で、ふわりふわりと浮くような動きと相まって、この世のものでない存在を浮かび上がらせていく。空中に残された顔が、暗転してもそこに漂っているような気がした。
2.佐々木博康「ヨーゼフK」(カフカ原作『審判』より)・「木曽川の筏下り」
マイム専門研究所としては日本最古の、日本マイム研究所所長。マイム歴58年。
私事ながら、マイムを初めて教わったのが日本マイム研究所だったので妙に緊張。
見ている間に、研究所にいたころ、ポーズの大事さということをよく言われていたのを思い出した。仮にどの瞬間に写真を撮られてもポーズが決まっていること。あらためて拝見して、「確かに」と思う。決まっている。
ちなみに、2作品のブリッジで、研究所門下生の方々がやった「工場」という奇妙な動きのシークエンスは、フランス近代マイムの祖エティエンヌ・ドゥクルーが弟子たちと作った作品から来ている(そのままではなく動き・音は日本マイム研究所で作ったもの)。それぞれが機械の一部になって掛け合いするのだけれど、なかなか難しいのです。
3.あらい汎「されどロープ だからロープ いまさらロープ 作品2907」・「薔薇」
実は初見だったあらい汎さん。どちらの作品からもほとばしる気概。本当にロープだけで作品を成立させる力。ひっぱる・ひっぱられるが人生そのものになって、消耗しながらもそれを続ける姿は私たち自身でもある。とじんわりしていると、その後の薔薇のお茶目さにしてやられてさすがだなあと思う。なにごとの不思議なけれど。
4.清水きよし「風船」「ひまわり」「つばさ」
清水きよしさんは、とにかく軽やか。真っ白いシャツとズボンに身を包み、身軽に風船と遊んだり花に水をやったりする姿は、少年というより妖精めいている。
マイムを演じることを喜びとしているのはどの出演者も同じだけれど、とりわけ「マイムと戯れている」という印象が強かった。客席に和やかな空気が流れ込んでくる優しい世界。
5.ヨネヤマママコ「愚者の玉」
清水きよしさんとはまた違うタイプの、軽やかさと妖精感。まだ数回しか舞台を拝見していないけれど、重さがないような動き方をされるので毎回驚く。その手足の運びの美しさ。
そして揺らぎのない眼光。自分の表現と真剣に向き合っているか、こっちが勝手に反省したくなってくる不思議な目・表情なのです(私だけかな)。
カーテンコールになり、舞台上にマイム界のレジェンドたちが横一列に並ぶのを見て、やっぱり「マジかー」と思いながら、何故か笑いがこみあげた。その場にいられたことをとても幸せなことだと思った。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
稲垣さんの視点、感性ではありますが、とてもその光景が伝わってきました。そして、ご覧頂いた皆さま、改めまして
ありがとうございました。
マイムフェスに関わった全ての皆さまに感謝致します。

Dプログラムの稲垣さんからのEプログラムのレポートが到着しましたのでご覧頂いてこの余韻をお楽しみ下さいませ。

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2017年7月2日日曜、武蔵野芸能劇場。
ロビーは開場前から何とも言えない緊張感に満ちていた、気がする。私が勝手に緊張し過ぎていたのかもしれない。
お客様が開場を待って作る列は、ロビー内を一列では収まらず、2回折り返してつづら折りになっている。フェスとは言え、こんなこと普段ならありえない。
それもこれも出演者たちが大物過ぎるからなのだった。
今年の3月、マイムフェスのプログラム内容を聞いたとき、「マジで?」と思ったし、言った。多くのマイム関係者、年季の入ったマイムファンも、みんな「マジで?」と言ったか思ったかしたはずだ。
開場の時間になり、長い列が会場内に吸い込まれ、開演5分前に私も観客席に座らせてもらった。客席明りが落ちていくのを見ながら、まだ「マジかー」と思っていた。
1.細川紘未「GHOST」
東京マイム研究所・並木孝雄氏に師事し、その後継者として、パントマイム伝道師として、いろいろなものを背負ってたつ、細川さん。
細川さんは、細い。冗談を言っているわけではなくて、ほんとに細い。その細さで描く動きの線はとても奇麗で、ふわりふわりと浮くような動きと相まって、この世のものでない存在を浮かび上がらせていく。空中に残された顔が、暗転してもそこに漂っているような気がした。
2.佐々木博康「ヨーゼフK」(カフカ原作『審判』より)・「木曽川の筏下り」
マイム専門研究所としては日本最古の、日本マイム研究所所長。マイム歴58年。
私事ながら、マイムを初めて教わったのが日本マイム研究所だったので妙に緊張。
見ている間に、研究所にいたころ、ポーズの大事さということをよく言われていたのを思い出した。仮にどの瞬間に写真を撮られてもポーズが決まっていること。あらためて拝見して、「確かに」と思う。決まっている。
ちなみに、2作品のブリッジで、研究所門下生の方々がやった「工場」という奇妙な動きのシークエンスは、フランス近代マイムの祖エティエンヌ・ドゥクルーが弟子たちと作った作品から来ている(そのままではなく動き・音は日本マイム研究所で作ったもの)。それぞれが機械の一部になって掛け合いするのだけれど、なかなか難しいのです。
3.あらい汎「されどロープ だからロープ いまさらロープ 作品2907」・「薔薇」
実は初見だったあらい汎さん。どちらの作品からもほとばしる気概。本当にロープだけで作品を成立させる力。ひっぱる・ひっぱられるが人生そのものになって、消耗しながらもそれを続ける姿は私たち自身でもある。とじんわりしていると、その後の薔薇のお茶目さにしてやられてさすがだなあと思う。なにごとの不思議なけれど。
4.清水きよし「風船」「ひまわり」「つばさ」
清水きよしさんは、とにかく軽やか。真っ白いシャツとズボンに身を包み、身軽に風船と遊んだり花に水をやったりする姿は、少年というより妖精めいている。
マイムを演じることを喜びとしているのはどの出演者も同じだけれど、とりわけ「マイムと戯れている」という印象が強かった。客席に和やかな空気が流れ込んでくる優しい世界。
5.ヨネヤマママコ「愚者の玉」
清水きよしさんとはまた違うタイプの、軽やかさと妖精感。まだ数回しか舞台を拝見していないけれど、重さがないような動き方をされるので毎回驚く。その手足の運びの美しさ。
そして揺らぎのない眼光。自分の表現と真剣に向き合っているか、こっちが勝手に反省したくなってくる不思議な目・表情なのです(私だけかな)。
カーテンコールになり、舞台上にマイム界のレジェンドたちが横一列に並ぶのを見て、やっぱり「マジかー」と思いながら、何故か笑いがこみあげた。その場にいられたことをとても幸せなことだと思った。
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稲垣さんの視点、感性ではありますが、とてもその光景が伝わってきました。そして、ご覧頂いた皆さま、改めまして
ありがとうございました。
マイムフェスに関わった全ての皆さまに感謝致します。

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